ジャンジャン横町の串カツ
大阪イチのDEEPスポットと言えば、ジャンジャン横町ではないかと東京モンは思ったりする。
怪しい…。大正時代は通天閣と遊園地などがある大阪きってのアミューズメントスペースとして賑わっていたらしいが、いまは昼から酒飲んでるオヤジの巣窟と化している。
早い話、立ち飲み屋だとかそんなんばっかしなんですね。
婦女子が歩くのは厳しい場所であろう。
三桂クラブなんかは朝から将棋にうつつを抜かす人で溢れているし、そのヘボ将棋を窓越しに見ている人がこれまた群がっていたりする。
はたまたいまや温泉街にしか生息していないと思われるスマートボール屋なんかもある、とにかくB級心を満喫させてくれる場所なんである。
そんな中で大阪B級グルメの代表格である串カツを味わうのがなんとも気分なのである。
ここには串カツ屋激戦区で「八重勝」や「だるま」、向田邦子のサインが掲げられている「てんぐ」、美味いと評判の「きくや」など数多くの串カツ屋が並んでいる。
ちなみに串カツ屋とはどういう店のことを言うのかというと目の前で串刺しにした肉やら野菜やら魚貝などをジュっと揚げてくれる店のことである。それを食べ放題のキャベツと共に店オリジナルのソースに漬けて食べるんである。ちなみにソースの2度漬けはどの店でも禁止だ。大阪では2度漬け禁止条例が施行されているんである。
さて、店内にと赴いたらまずはビールにどて焼きを食す。どて焼きとは牛すじ肉とこんにゃくをにんにくや味噌などで煮込んだものでちょいと甘いところがまた良い。でもって、生のキャベツをボリボリとつまみながら串カツや玉子、ウインナー、青唐などをつまむ。ビールをグビグビとやりながらアツアツの串カツを食すと美味いんだな、これが。
まわり見回すとひとりモンのオッチャン多数、大阪伝統の派手系夫婦、若干の若者などなど。
オッチャンたちからは競馬を100円単位でチビリチビリ賭けて楽しんでる系のうらぶれ感がひしひしと漂う。
それだけで陽気に楽しむ雰囲気でないことを悟る。
派手系夫婦はスナックかなんかをやっていそうな感じ。
大阪トラディショナルな服装なんだろうが、なにせドギツい。
ある意味、ジャンジャン横町にベストフィットのカップルなんだろうけど。
ま、串カツ初心者は「てんぐ」あたりに、上級者は「きくや」に行くのが良いと思われる。
「てんぐ」は広く明るく、初心者でもビビらずに済むだろうが、「きくや」あたりのこぢんまりした雰囲気はちょいとキツイ。
オヤジと世間話をしている常連オヤジたちに混じって、串カツを注文するのかなりの至難の業と言えよう。
やはりジャンジャン横町体質になりきっていなければ、プロの店を冷やかすのは無謀というものだ。
なんといっても早い、安い、美味い、怪しいの4拍子揃った大阪B級グルメの鏡のような店です。駅地下なんかには立ち食い店もズラズラと並んでます。
大阪にはまだまだB級グルメが眠っているんであった…
●「きくや」
大阪市浪速区恵比須東3-4-6
06-6644-3523
営業時間:am12:00~pm20:00
定休日:火曜、第4水曜日