ご飯が先か、味噌汁が先か…宮崎・冷や汁の謎~四国・九州旅情編その3~ | B級グルメを愛してる!

ご飯が先か、味噌汁が先か…宮崎・冷や汁の謎~四国・九州旅情編その3~

さて、四国B級グルメを満喫した後は、愛媛からフェリーに乗って大分へと向かう。

佐賀関到着ということで、本場モンの関サバを味わおうと思ったが、

ちょいと旬がズレちまったので関アジにうつつをぬかしてみる。

うーん、いまさっきまで泳いでたアジだ…もとい味だ。

ピチピチ

 

(お急ぎの方は以下の青字を飛ばしてお読みください。本筋には関係ありません)

九州での目的の一つに指宿の砂風呂に入る、というのがあった。

その昔に「走れK-100」というドラマがあって、これは鹿児島から北海道の夕張に住むおじいちゃんのところへ蒸気機関車を届けるというドラマである(主演:シャチハタCMでおなじみの大野しげひさ氏主演…シャチハタのCM自体がすでに古いんであるが)。

おじいちゃんは昔、K-100という蒸気機関車の運転手でもう一度運転したいという願いを叶えるために孫が一肌脱ぐのである。

しかし、線路は使わせてもらえないので、K-100の車輪をタイヤに変えて、道路をひた走り北海道へ向かう、というなんとも無茶なドラマだった。

ちなみに蒸気機関車であるからしてガソリンではなく石炭で走る。

煙突からポッポ、ポッポ黒煙をまき散らして走るわけだ。

よく車検通りましたね。

で、それが砂風呂に入りたいという私の欲望とどう関係があるのかというと

そのドラマの中で指宿の砂風呂シーンがあったわけだ。

イブスキという不思議な感じのする地名と砂風呂の強烈な印象が脳裏に焼き付き

いまのいままで「オレもいつかは砂風呂へ…」と思い続けて生きてきたというわけだ。

ものすごいセコイ夢だな、こりゃ。

なんで砂風呂について語るのにこんなに話が脱線するかなぁ…いやK-100はタイヤで走るから脱線はしないんですが。

 

しかも、今回の話には砂風呂も指宿も出てこないんである。

その途中で立ち寄った宮崎名物の話だ。

ちなみに宮崎名物といって何が思い浮かぶでしょうか?

私は…巨人のキャンプ地だということくらいしか思い浮かばない。

宮崎出身の皆さん、ごめんなさい。

で、つらつらと例によって街をふらついてみる。

するとチキン南蛮の文字がやたらと目に飛び込んでくる。

なるほど、宮崎産地鶏を使ったチキン南蛮が名物なわけね、フムフムと思い

じゃ一丁食べてやるかと思い店に入ろうと思ったら

さらなる魅惑的な文字が目に飛び込んできた。

冷や汁

噂には聞いたことがある宮崎郷土料理の冷たい味噌汁のようなもの。

味噌汁のようなもの、ということは知っているがそれ以上は何も知らない。

じゃ、何も知らないのと一緒ですね、ハイ。

 

hiyajiru


なかなかよさそげな定食屋があったので、入ってみる。

手づくりの店 ぶうぶ

ちなみに手づくりの手の字は手のひらが描かれている。

結構、にぎわっているが誰も冷や汁は食していなかった。

もしや地元民は冷や汁なんぞ食べないのでは…

つ、つまりあんまりうまくないのでは…

嫌な予感が脳裏をよぎる。チキン南蛮はうまそうだ。

しかし、どちらがB級かと考えればこれはもう圧倒的に冷や汁であろう。

なにせ得体が知れない。

ちなみに私はご飯の上に味噌汁をかけて食べるのが好きだ

実に味わい深い。

ワカメがご飯の上にペタリと張り付いていたりすると最高である。

猫まんま…などと人は言うが、猫だけにこんなうまいもん食わしておくのはもったいない。

もう何年も食べてないけど。

丼飯文化の日本人にしてみれば、ご飯の上に何かを掛けて食べるというのは極めて普通のことなのであろう。

いったい、冷たい味噌汁とはいかなものなのか…

 

しばらくすると冷や汁セットが姿を見せた。

ご飯におしんこ、煮物に冷や汁という面々。

さっそく冷や汁をご飯の上にドバッとかけてみる。

ふーむ、温かいご飯と冷や汁の相性は悪くはない。

味噌汁というよりは魚と豆腐をすり潰した出し汁、といったところか。

きゅうりと大葉が単調になりがちな味のアクセントになっている。

味噌汁ぶっかけご飯は味噌汁の中にご飯が浮いている、といった豪快さがあるが、

冷や汁の場合はご飯の上におかずとして汁を掛ける、という上品な感じがする

上品なカレーライスはルーが別容器に入っていて、

ご飯にちょっとずつ掛けて食べるが、冷や汁もそんな感覚に近い。

いっぺんにドバッと掛けて食べるとはしたないが、

ちょっとづつ掛けて食べるとお上品、ってなところか。

ちなみに味噌汁ぶっかけご飯の場合は、ご飯が冷たくて味噌汁が熱い方が美味です。


最初はお上品に食べていたが、最後は面倒くさくなって、残りをドバーッとご飯の上にぶちまけてみた。

やっぱりこうじゃなくちゃね。

大人食いならぬ日本人食い

ごっつぁんでした。


調べてみると冷や汁とはもともと宮崎の暑い夏を乗り切るための食べ物らしい。

食欲がないときにもさっぱりとしていて栄養価の高い冷や汁ならば食べられる、ということだ。

季節はまだ4月…冷や汁にはまだ早い季節だったんで誰も食べてなかったわけですね。

納得。


ご飯が先か味噌汁が先か、カレーが先かライスが先か、そんなことを考えながら、指宿へと向かうんであった……


●手作りの店「ぶうぶ」

 宮崎県宮崎市橘通東3-49

 0985-25-8287