やきとん屋こそ酒飲みのオアシスである
やきとん屋、というとなにかこうヤキトリ屋に比べて大人な感じがする
なにせ食うのはモツだ
豚の内蔵を食らうというのは、鳥肉を食べるのよりはやはりワイルドである
なにせ安い
1串100円くらいで、おつまみも100円~300円程度のものがほとんど
たらふく食べて飲んでも1人2000円もしないだろう
いかにもの飲兵衛が幅をきかし、女子供を寄せ付けない雰囲気を醸し出しているのがたまらない
場所も繁華街よりは中央線沿線だとか西武新宿線だとかの世界が似合う
野方の「秋元屋」もそんな素晴らしきやきとん屋である
やきとん屋は豚モツを食らうところだからして、メニューもちょいと変わっている
レバ、ハツ、カシラなどはヤキトリでもポピュラーであるが、
オッパイ、テッポウ、チレ、コブクロ……
といったあたりは知らなければなにがなんだかわからん部位である
ちなみにオッパイはそのまんま豚の乳、テッポウは直腸、チレは脾臓、コブクロは子宮である
「今日、いいオッパイ入ったんだよ」
「いいね、オッパイ。ピンクでキレイじゃない」
などという恐ろしい会話が店内ではやりとりされるんである
まるで変態の集まりだわな
でもって、アルコール類もやきとん屋ならではのこだわりが伺える
酎ハイとニホンシトロン(幻の炭酸と呼ばれている。泡がシュワシュワともの凄い勢いで立つ)の組み合わせは文句なし
焼酎もキンミヤ が気分
トリハイ(トリスのハイボール)や生ホッピーもいいっすね
これらがだいたい350円くらいで飲める
幸せなことこの上ない
ちなみに「秋元屋」では日本酒の品揃えもなかなかのものである
あと忘れちゃならないのがもつ煮込みだ
この出来映えで、幸せ気分に一層、拍車が掛かるかどうかが決まる
「秋元屋」のもつ煮込みは玉子入りで380円とお値打ち
旨味がよくモツに染みている
まさに酒飲みのための食べ物といえるだろう
それとこの店の名物がキャベツ、である
大ぶりにザックリとカットされたキャベツを味噌につけて食べるんであるが
これがなんというか清涼感があってよい
キャベツのデッカイ固まりをバリバリボリボリ
大阪の串カツは無料で食べ放題のキャベツがあって
ソースをつけて食べたりするが、
あの場合はしなびちまったキャベツを1枚、1枚をかじる
こっちの場合は固まりにガブリ、である
しかも歯ごたえサクサク
濃厚なモツの味がキャベツですっきりしていくようだ
あんまり長居をするのは無粋ってもんだ
飲んで食って、サクッと帰るのがいいやきとん屋での過ごし方
新鮮なモツを存分に味わって、スペシャルな焼酎を味わって
これで2000円なら涙が出てくる
私のROAD TO MOTSUの旅はまだまだ続くんであった…
●やきとん「秋元屋」
中野区野方5-28-3
03-3338-6236
営業時間:17:00~24:00(月~土)16:00~22:00(日・祝)
定休日:水曜