なんでんかんでんと私~替え玉選手権地獄編~ | B級グルメを愛してる!

なんでんかんでんと私~替え玉選手権地獄編~

「なんでんかんでん」というと『マネーの虎』の川原ひろしを思い浮かべる人も多いことだろう
ま、「なんでん」は別にB級ではないが、Mr.なんでんかんでんこと川原ひろしが超B級野郎だということに気がついている人はいったい何人いるのだろうか?


私となんでんの出会いは、なんでんがオープンした日より始まった

羽根木に引っ越してきて3日後になんでんがオープンしたわけだ


当時、なんでんでは替え玉選手権というのをやっていて、

替え玉9つを45分以内にすれば、5000円もくれるというのだ

これは学生にしてみればうれしすぎるご褒美だ

日頃、ラーメン二郎の大ダブルで鍛えた胃袋にしてみれば

替え玉9つくらいでもない、と本気で思っていた

1週間ほど前から、二郎の大を食べ続け、胃袋の拡張に努め

いよいよチャレンジの時を迎えた


sanbaka

(これは3バカラーメン。社長の脳内アドレナリンが3バカ

という形になって現れた作品といえよう)

 

カウンターに座るなり「替え玉チャレンジします」と告げる

1杯目が出来上がったところでいよいよスタートだ

軽快に飛ばす

1杯を約2分30秒ペースというハイピッチ

まわりのお客さんたちも「これは楽勝だね」などと声を掛けてくれる

注目の的、であった

6杯を食べ終えた時点で、まだ15分しかたっていない

思えばこのハイピッチが大失敗だったのだが…

 

ここからまったく入らないのである

ただでさえ固い麺が噛みきれないゴムのように感じる

実際、ゆで時間はわずか10秒程度

はりがね、だとか粉落としなどといわれるくらい固麺なのであった

 

じりじりと時間が過ぎていく…

なんとか気合いで麺をかきこむ

10分たってようやく7杯目を食べ終わる

残り時間はあと20分

 

地獄の8杯目

もうだめだ

難攻不落の二郎の麺増しを完食した私でももう入らない

カウンター越しにニヤニヤと笑う男がいる

Mr.なんでんかんでん、川原ひろしだ

そのシルベスタ・スタローンに似た濃いい顔を見ていたら

完全に消えていた闘志に再び灯がともった

 

なんとか8杯目を食べ終える

しかし、残り時間はあと7分

お客さんたちはやんややんやの大声援

中には私が完食できるか否かで掛けている人たちまでいる

「もういい、よくやった食わなくていいぞ」という声もあれば

「死んでもいいから食え!あと3分だぞ」

残り1分

あとはスープと若干の麺を残すのみ

胃袋に納めてなんとか完食した

 

みんなの拍手が鳴りやまない中、

ダッシュで外に出た

その瞬間にドバーッと大洪水のように嘔吐した

 

その後、自主的に店の前を掃除した

それからである、私とMr.なんでんかんでんとの付き合いが始まったのは

私が誰に言われずとも黙々と清掃する姿にいたく感動したらしい

私が雑誌のライターになって、各雑誌になんでんを紹介した経緯もあり

店はいつの間にか大行列店へと変貌していた

いま創業当時からなんでんにいるのは社長とケシャム(おもろいパキスタン人。ビザの関係で日本とパキスタンを行ったり来たりしている)それに私だけ、と言われるくらい店に馴染んでいたりする

あくまでも客でしかないんだが

 

しかしながら、社長・川原ひろしはいろんなことに手を出すのが好きだ

しかも必ずと言っていいほど失敗する

一番ひどかったというか笑ったのが、「被るだけで毛が生えてくる帽子」の開発への投資。

んなもん、売れねぇって口を酸っぱくして言ったんだけどね。

なんでも、『マネーの虎』で放映するとパクられてしまうので、極秘で援助してくれませんかといった手紙が来たらしい

いったい、どんなもんが出来上がるかと思ったら、これが磁気を埋め込んだだけのとんでもなくダサイ帽子だった…どんなに髪の毛が不自由でも絶対にかぶりたくない感じの

 

結局、500くらい作って20くらいしか売れなかったらしい。

この世に20人もそんなもんにすがらなければいけない人がいること自体、驚きであったりするが、そこまで切羽詰まった事情もあるのだろう、ナムサン。
しかし、こんなに商売勘がない人間が、ラーメン屋としては成功を収めたのが不思議でならん今日この頃です

あ、ラーメンの話、全然書かなかったわ

まいいか

 

●「なんでんかんでん」

 東京都世田谷区羽根木1-8-7

 電話:03-3322-2539

 営業時間:18:00~お客さんがいなくなるまで

 定休日:無休