東京の串カツはノンアルコールビールなのか ~新宿「桃の華」の巻~ | B級グルメを愛してる!

東京の串カツはノンアルコールビールなのか ~新宿「桃の華」の巻~

前々から東京に大阪の串カツ屋が出店されないかとずっと思っていたのだが、

ようやく新宿3丁目にオープンした。

やはり串カツ屋というのはそれなりの場所にあって欲しい。

華々しい繁華街、ってのはまったくもって似合わない。

ま、東京ならば錦糸町、阿佐ヶ谷あたりがベスト、新橋、新宿3丁目あたりも良さそげだ。


桃の華」というのがその店の名前だ…

なんだか2流の居酒屋だかラーメン屋だかの安っぽいネーミングなのがちょいと気になる。

以前にも当ブログに書いたがジャンジャン横町の串カツ屋 の場合、「てんぐ」「八重勝」「きくや」など気合いの入った名前であったりする。

ま、ネーミングの件は良しとしよう。

2度漬け禁止の串カツを食べることが大事なんである。


店に入ると雰囲気が明らかに違う。

猥雑な雰囲気がないんである。

うらぶれた感じのオッチャンたちがチビチビと酒を飲みながら楽しんでるようなあの雰囲気…

あれこそが串カツの魂、だと思うのであるが…


見るとおかまの皆さまが仕事前の食事をなされていた。

上の階におかまバーが入っている。

きっとそこの人々だろう。

少なくともいまどきの若者に囲まれて串カツを食べたくはない。

やはりコッテリ系の雰囲気の中で食べるのが気分である。

おかま軍団の迫力がちょっと大阪っポクてホッとする。


doteyaki

(どて焼きはこってりやわやわに煮込まれていた)


まず、はじめにどて焼きを注文する。

大阪よりも甘め、というか上品な味がした。

東京チックにアレンジされているのだろう。

やれやれ、ヘンな気を回さなくて良いのに。

続いて牛、豚バラとハムカツにチャレンジしてみる。

ハムカツのチープさというのは串カツにピッタリとしている。

ソースにジャボッと漬けて口に運ぶ。

2度漬け禁止は東京でもいかされている。

ビールをグビッとやって、揚げたての串カツを頬張るというのは

なんとも幸せな瞬間なのであるが、

東京の串カツ屋だとどうにも気分が乗らなくていけねぇや。

串カツは店の雰囲気がかなり重要であることにあらためて気づく。

なんかヘンにオシャレにまとまっているとどうにも落ち着かない。

店としてはデートで女の子を連れて来られる店、というのを意識しているのだろうが、

これは残念ながら誤った見解である、と思う。

店のネーミングも失敗してるしね。


大阪に串カツ屋ってのがあってよー、それがワイルドでなかなかいいんだよ。

東京にもオープンしたから行ってみねぇ?

みたいな感じで女の子を連れて行ったら、ありがちな居酒屋の雰囲気であった…

これはちょっと痛い。

ジャンジャン横町のギトギト感、まではいかないものの、

そういう気分を満喫したくて行くんだけどなぁ…


吉本なんかの毒舌でならした生きのいい若手が、なぜか東京に来ると毒っぽさが消えている、なんてことがよくあるが、なにか全国標準にならなきゃイカン、みたいな意識が大阪人には働くのであろうか。

これもコンプレックスがなせる技か?


しかし、逆に考えると大阪気分を満喫したければ大阪に来い、というプライドみたいのも感じる。

どうして、本場で味わう料理はあんなにうまく感じるのだろう?

と常々疑問に思っていたが、やはりその土地の雰囲気が店に馴染んでいるからなのだろう。

大阪気分を味わえない串カツ屋というのは、ノンアルコールビールのようなものだ。

似て非なるもの、くらいなイメージである。


若者たちが店に来だした頃、席を立った…


●「桃の華」

東京都新宿区新宿3-8-2 クロスビル1F

電話:03-3226-9411

営業時間: 17:00~02:00 月~木 

       17:00~04:00 金~土 

定休日:日曜