広島お好み焼きはソースべっちょりで ~渋谷「じゃけんnou」~ | B級グルメを愛してる!

広島お好み焼きはソースべっちょりで ~渋谷「じゃけんnou」~

日本で最もお好み焼きを消費しているのは広島県、で、2位が大阪府。

あの大阪よりもお好み焼きが好きなのだから、広島県人のお好み焼きに対する誇りは相当なものなんであろう。

いや、大阪にはお好み焼き以外にもいろいろとウマイもんはあるが、広島の場合は…なんてことかもしれないが。


個人的な好みから言えば、大阪よりも広島お好み焼きを断然支持している。

粉含有量の違いがその最大の要因と言ってもいいだろう。

粉づくめの大阪に対して、広島は粉の使用が極めて少ない。

底にクレープのように薄くしかれているくらいで、上には中身の具を押さえつけるフタのような感じで玉子焼きがちょこんと乗っている。

大阪は大部分が粉で形成されているが、広島は大阪でいうところの粉部分がキャベツとソバで構成されている。

そのキャベツとソバがたっぷりと入っている中身の差において、私の中では広島風が勝つわけだ。


しかし、東京ではなかなか「これは!」と思う広島風お好み焼きには出会うことができない。

悲しい。

やっぱり東京で食べるとあくまでも広島風でしかないのだ。

広島風お好み焼きと広島お好み焼きは私の中では明確に違う

「風」ってことは似せてますよ、ってことである。

お好み焼き消費日本一のプライドからして、広島風などと現地人は書かないだろう。

広島お好み焼き、とドーンと記すに違いない。

なんてことを話していたら、渋谷に「広島お好み焼き」と男らしく書かれた店があると聞いた。

その名も『じゃけんnou』。

「じゃけんのう」といえば広島弁。

仁義なき戦い」の菅原文太アニイを思い出す。

シブイっす、文太アニイ


渋谷の宇田川町交差点を突き抜けた先に『じゃけんnou』はある。

「nou」とローマ字になっているところにちょいと危険な匂いを感じる。

そういうセンスの店は得てしてロクなことがないからだ。

店はカウンター席が10数席、テーブル席が3卓ある。

当然、カウンターで熱々のお好み焼きを食べるのが気分だが、

あいにくテーブル席は満席。


しかたく友人3人とテーブル席に陣取った。

メニューをみると一般的なお好み焼きメニューが並ぶ。

ベースのお好み焼きに好きなものをトッピングできるシステムである。

私は初めて行く店ではその店のイチ押しをいただくことにしている。

よって、お好み焼きスペシャルを選び、ねぎ焼き、とん平焼きなどをいただいてみる。

作っているのをみるとこれでもか、といった感じでどっさりとキャベツが盛られた。

これだぜぃ!

このキャベツの盛りが見ていて気持ちいいんです。


jaken

(はみださんばかりのソバが良いです)


で、できあがってきたお好み焼きにはたっぷりとソースが掛けられている。

ペロリとなめてみる。

おたふくソースの味だ。

やはり広島ソースといえばおたふくソース、なんであろうか?

おたふくソースが広島県人の心のよりどころだというのは、あながちウソではないかもしれない。

おたふくソースはトロっとしていてほの甘い。

この甘さがビールと相性バッチリなのである。

鉄板で炒めたきゃべつはしんなりとしてお好み焼きの中に隠れているが、

そのかわりにソバがあふれんばかりにハミ出ている。

うどんなんかも入れたりするみたいだが、私は何と言ってもソバを支持する

うどんでは麺が太すぎて、食感が邪魔されそうだ。

それにソバの方がソースの絡みが良いであろう。


小麦粉がほとんどないだけあって、広島お好み焼きはサクサクと食べられる。

キャベツを食べているようなものなので、かなりヘルシーである。

飲み物は…やはりビールであろう。

粉ものにはビール

これは私の中では岩よりも硬い鉄則となっている。

いや、もんじゃの場合に限り、あんずサワーありですが。


キャベツどっさりの広島お好み焼きは、かなりサッパリテイストである。

そのままじゃ、やや物足りない。

そこで私はキャベツにもどっさりとおたふくソースをかける。

いい…ソバにもソースが絡んでなんともいえない広島テイストが醸し出される。

ねっちょりソースとビールの相性は無敵の組み合わせといえよう。


カウンターでは店員とお客さんが広島弁で会話をしている。

広島県人に愛される店、ならば本場テイストに近いのかもしれない。

しかし、あらためて考えてみるといったい広島お好み焼きのウマさとはなんなであろうか?と首をひねりたくなる。

どっさりのキャベツか、それともどっさりのソバなのか、それが混ざった感じがいいのか…

店を出た後でふと思ったが、なんだか粉ものを食べた、という感じがしなかった

おたふくソースをなめながらビールを飲んでいた、そんな気さえする。

にもかかわらず、胃がもったりとしないのはやはりキャベツ主体のヘルシーさゆえのことなんだろう。

腹が減っていたら2枚くらいならペロリといけそうだ。


粉ものにして粉ものにあらず

広島お好み焼きは本当にお好み焼きなのか?と思った次第です。



●「じゃけんnou」

東京都渋谷区宇田川町36-16 プラザマリーナ2F

電話:03-3463-3588

営業時間:11:00~23:45

定休日:無休