田町の串カツ屋はリーマンの巣窟だった ~田町・「たけちゃん」~
大阪串カツ屋リベンジ、である。
以前『東京の串カツ屋はノンアルコール・ビールなのか 』という記事を書いた。
どうも東京の串カツ屋はいまひとつである、と述べたわけである。
その記事を見た友人が「田町にジャンジャン横丁テイストにあふれた串カツ屋があるぞ」というので、
串カツリベンジを果たすべく田町へと向かった。
(充実のメニュー。どれもこれも特大サイズ)
訪れた店は旧慶應中通り入り口付近にある「たけちゃん」という店だ。
18:00という早めな時間のため、まだ客は1組しかいない。
立ち飲み形式というのが、もしやの期待を抱かせる。
店の雰囲気的にはジャンジャンテイストをほのかだが感じる。
肝心の串カツはどうか?
まずは当然のようにどて焼きから入る。
串カツはどて焼きから。
これは串カツ界のルールのようなもんである。
誰が決めたんだか知らんが、最初にジャンジャンで串カツを食べたときに一緒に行った関西人からそう聞いた。だからそうなんだと信じこんでいるんですが…。
どて焼きは悪くはない。
食べ放題のキャベツもパリパリとしている。これなら期待できそうだ。
ヒレ、アスパラ、ウインナー、ねぎ焼き、玉子など大阪定番系をオーダーしてみる。
「ム…」
眉毛レーダーがピクリと反応する。
私はB級テイストなものに巡りあうと眉毛がヒクヒクと動くのである。
我ながら便利な機能だと思う。
衣が実にふわふわとしていて、油がもたれるということもない。
うーむ、ウマイ…
ちょいと味が上品過ぎるきらいはあるが、なかなかイケる。
大阪の串カツというのは悪い油を使っている店も多くあると聞くが、
そこまでは真似せんでもよろしい、という感じだ。
(左下の赤っぽいのが紅ショウガ、玉子やコンニャクなどの姿も)
次に大阪串カツ界にはなさそうなメニューをいってみる。
紅ショウガ、納豆。
紅ショウガはまるでサンゴを衣で揚げたような形状。
中には薄切りの紅ショウガがつぎはぎされている。
それでサンゴのようなニョキニョキとした形状になっている。
ショウガもサクサクしており、食感もなかなか良い。
これはなかなかヒットかもしれない。
しばらくすると続々と客がなだれ込んできた。
付近の会社のサラリーマンたちだ。
背広軍団の中で串カツを食すのは正直ツライ。
なんだか妙に落ち着かないのである。
チラリと聞こえてくる会話は仕事の話だ。
OH MY GOD!
せっかくのジャンジャン気分も台無しである。
気がつくとすべての席が背広軍団に占領されてしまった。
中にはOL2人組もいる。
背広に混じってOLが2人。
立ち飲み屋の光景としては奇異に映らんでもない。
なんでも日テレの「anego 」の影響で、OLに立ち飲み屋がブームだと聞いた。
篠原涼子がブームを作り出すまでに至るとは感慨深い。
よく復活したもんだ。
それにしてもジャンジャン横町の串カツ屋が背広軍団に占領されることなどまずないだろう。
居心地の悪さを感じて、退散することにする。
同行した友人がポツリとつぶやいた。
「やっぱ、串カツは大阪行かなきゃな。現地で食え、ってことじゃねぇか?」
まさしく。
おそらくこの店での正しい過ごし方は開店と同時に行って、サラリーマンで混み始める19:00頃に上がる、というのが良さそうだ。
しかし、東京にも大阪テイストのウマい串カツ屋があることを知ったことはメッケもんだったと素直に思う次第です。
※ 『ジャンジャン横町の串カツ 』もどうぞ
●「たけちゃん」
東京都港区芝5-20-19
03-3451-0488
営業時間:16:30-22:00
定休日:土日休