私流・回転寿司屋の愉しみ~その1~
なにをかくそう私は「回転寿司評論家」という肩書きを持っている。
いや、別に勝手に名乗っているわけではなく、ちゃーんと仕事もしている。
テレビに出て回転寿司の評論やらコメントをしたりとか、
雑誌の回転寿司特集の監修やらなんやらをしているわけだ。
そんなわけで都内の回転寿司屋はくまなく廻っている。
週に1度は回転寿司。
お皿が廻れば目も廻る、というわけで私的な回転寿司考を何回かに分けてお伝えしたいと思う。
私が回転寿司屋に求めることはいくつかあるだが、その中でまず2つほど紹介しよう。
1.常に新鮮なネタが廻っていること
2.旬のネタが豊富に揃っていること
まず1に関してであるが、この問題は結構根深いものがある。
みなさんも経験があるのではないだろうか、
たとえばイカが食べたかったとしよう。
レーンを見るとイカが廻っている。
手に取ってみようとしたらどうもイカの様子がおかしい。
廻りすぎ…そう彼は30分は廻っていそうな疲れたご様子なのだ。
そこで「すんません、イカお願いします」と注文をしてみる。
「あいよ」とやる気のなさそうな返事と共に店員はその廻っていたイカの皿をおもむろに取りあげ私の前にグイと差し出すのである。
「なめんとんのか。そのくたびれきったイカを食べたくないから、注文したんだろうが」
こういう回転寿司屋は論外である。
ちなみに好きな皿を次々と注文するのも良いが、私の場合は次になにが流れてくるのか、
それを待っている間が愉しい。
目の前で大量に握られているスシたち…
それが次々とレーンに並べられていく。
ギュウギュウのレーンに無理矢理割り込ませる感じでグイグイと突っ込まれる。
その大量に流れてくる皿からどれが一番うまそうなネタか、それを選ぶのが愉しいのである。
「この皿のネタはデカイな…いやその後の後の方がウマそうだ…」
なんてことを考えながらチョイスするわけだ。
(下足付きの活イカ。この姿も回転寿司ならではか)
マグロ、イカ、サーモンなどの定番系以上に充実していて欲しいのが変わり種系のスシである。
穴子姿寿司、めねぎ、カワハギ、炙りトロ、とろろ月見…その手が廻ってくるとつい手が伸びる。
そして忘れちゃならないのが旬のスシたち。
活タコ、活赤貝、活サバなどの活軍団に季節を彩る旬の素材たち。
見事な競演である。
やはり廻っているのが見慣れたネタばかりというのはちと寂しい。
華やかさがない、っていうのでしょうか。
廻っているという形状からは見て愉しむところがないとイカンのではないかと思う。
遊園地のメリーゴーランドだって華やかだ、回転寿司のレーンが華やかだっていいじゃないか、
ってなもんである。
まさに回転寿司はアミューズメントパークだ!
愉しい乗り物=いろいろなスシたちが顔を並べる回転寿司屋はやはり愉しい。
スシを食べるばかりでなく、愉しまなきゃ損、ってな気持ちで店に行くと
回転寿司ライフがグッと愉しくなります。
次回は「私流・回転寿司屋での過ごし方」です。