モツは刺身で、マッコリは生で ~新宿「赤ちょうちん」は生々天国
モツとは焼くものである、と思われている方はかなり多いんでないかと思う。
レバやセンマイ、ガツなんかの刺身は普通にあるが、シビレ(膵臓)やホルモン、コブクロなんてものは焼いて食べるもの、というのが一般相場ではないかと思う。
が、モツだって新鮮ならば刺身で食べられる。
ハラミだってタンだって刺身で食べられるのだ。
牛をまるごと生で食べさせてくれる、そんな素敵な店が新宿御苑付近に佇む「赤ちょうちん」である。
今回は事情があってしばし禁酒をしていた友人Tが、「ついに酒解禁日が来た。うまいもの食って、うまい酒をきゅーっといきたい」とのことから、厳選に厳選を重ねた結果、この店に白羽の矢が立てられた。
ごく普通の引き戸をガラガラと開けるとそこにはヤル気が漂う空間が現れた。
この店はやりそうだ…そんな感じがヒシヒシと伝わる。
いや別に故・小渕首相の写真が飾られているとか、有名人が訪れた痕跡が見受けられるからとかそんなことではない。
煙の向こうに何かが見えるのさ、と気取ったところで、早速、ホルモン刺しの盛り合わせをオーダーする。
で、でてきたのがこちら。
(各種生ホルモンが満載のホルモン刺し盛り合わせ)
冒頭に記したモツたちがごっそりと並んでいる。
焼き網があればつい焼いてしまいそうになるが、特製ダレでいただいてみる。
ふむ、なるほど。レバ刺しはプルンとしており、コブクロはコリコリ、ハラミは焼いて食べるのとは違って、ねっとりとした濃厚な味が堪能できる。
ほとんど鮮度が命だけに生の旨味が味わえるのだ。
タレもコチジャン、ニンニク、りんごなどバラエティに富んでおり、好きな味で食べられるのもうれしい。
ホルモンを刺身で食べる幸せをしばし噛みしめつつ、続いてモツ煮込みをいただく。
おぉ、なんか汁が白いぞ。
聞くところによると水だけで煮込んでいるとのことだ。
友人T曰く「博多ラーメンのようなスープだ」と言うくらい、ゼラチン質がスープに良く溶け込んでいる。
(白濁スープが特徴的な煮込み)
ほほぉー、水だけでもつの旨味を引き出すとは中々。
厚切りのモツも食べ出があって、ちょっとうれしくなる。
普通のモツ煮込みのモツの2倍近くはあるだろうか。
ワシワシとした食感と旨味が存分に堪能できるのだ。
そして〆にホルモン焼きのミックスを。
こちらは焼いたからこその旨味が噛めば噛むほどジュワジュワと溢れて口腔内に広がる。
生と焼きの両方を楽しめるのがなんともうれしい。
飲み物はビール、焼酎よりも生マッコリが気分。
作っている酒造が1つしかない貴重なマッコリである。
いわゆるマッコリのまったりとしたテイストはないが、発泡したシュワシュワ感と生モツがよく合うのである。
やはり生には生でいきたい。
まだまだ世の中にはウマイもんがあるねぇ、と久しぶりの酒を満喫した友人Tは、しみじみと噛みしめているようであった。
B級グルメ道の探求に終わりはないんである。
●「出世料理 赤ちょうちん」
住所:東京都新宿区新宿1-18-10
電話:03-3354-7266
営業時間:17:00~23:00
定休日:日、祝日(第2土曜休)
(ウマイもん食って素敵な笑顔の我々)