100回記念特集その② 高嶋政伸 ナポリ・ピザを食べ歩く
100回目特集第2弾は世界のB級グルメ王を目指す、友人Tこと高嶋政伸氏のナポリピザ食べ歩き紀行。
私は同行していないのだが、ナポリから戻ってからというもの、毎日のようにピザを食えピザを食えと呪文のように唱えるので、仕方なく食べに行くことにした。
氏曰く、その店のピザはナポリで食べるピザと同じ味だそうだ。
だからその店のピザを食べればナポリのピザのことがわかると言われたわけだ。
なんのこっちゃ?
でまぁ、氏ご推薦の「ピッツァ・サルバトーレ白金店」へと赴く。
シロガネーゼらしき物体がが優雅にランチをしていたりする、もちろんB級とは一切無関係の店である。
ホントにB級店にしか行かなくなってしまったので、この手の店に来るのは久しぶりだ。
何の感慨もない…やはり私のDNAはB級モノにしか反応しないようだ。
ナポリのピザと同じ味というマルゲリータのお味は「へぇー」。
もちょっと詳しく言うと45へぇーくらいか。
これが世の中で一番美味いピザだと言われても55へぇーくらいなものです、ハイ。
というわけで、いよいよ本題。名付けて「ナポリを見てから死ぬか、ピザを食ってから死ぬか!by高嶋政伸」
そんなわけで、7/8スタートの「人生はフルコース」(NHK)で、元帝国ホテル料理長・村上信夫役を演じている高嶋氏であるが、どうしてもナポリを見てから死にたいとのことで、イタリアへと旅だった。
さて、ナポリに着いた氏は早速、ピザを食べに行ったそうな。
その店の名は「ダ・ミケーレ」。
(「ダ・ミケーレ」前にて)
その店は、ナポリピッツァ協会に入っていないが、ナポリではキング・オブ・ピッツァと言われるほど有名な店らしい。
メニューはマルゲリータとマリナーラの2種類のみ。
この2種類だけでナポリっ子のハートをがっちりと掴んでいる、というのだからただもんじゃない店なのだろう。
氏はこう言う。
「ナポリのピザを食わずしてB級グルメは語れない、と思ったわけだ。
これがB級グルメの集大成。
あー、ピッツァ、ピッツァ、ピッツァ。ピッツァ イズ マイライフ。
ナポリのピッツァを食べずして、B級グルメは語れないのだよ、ヨネバラくん!」
いや、わたしゃ、ヨネバラではないんですが…と酔いの回った氏の演説を聞きながら氏のピッツァ人生に思いを馳せたもんだ。
こりゃ、帰ってきたら、ピッツァ話を大盛りで聞かされるなと。
(これが奇跡のピッツァである)
で、念願叶って、ナポリピッツァとのご対面となったわけだが、
氏はナポリピッツァの味をこう評す。
「それはね、なんかこうパンチが効いてるってのかな?
さすがナポリ、って味なんだな。
生地はもっちり。
このもっちりがたまらんのだけど、東京でもこのもっちり感を味わえる店はあるわけよ。
でも、ナポリだと何かが違う。
何が違うんだろう…
結局、東京でも美味い沖縄料理は食べられるけど、沖縄で食べる沖縄料理はひと味違う。
あの夕日を見ながらのんびりとビーチでつつく沖縄料理は最高なわけですよ。
それと一緒かな…
いきつくところは現地で食べるものには叶わない、ってことなんだけどね。
ちなみにピッツァを彩る具はシンプルもシンプル。
トマトとバジルとチーズだけ。
高温でさっと焼いただけだから、実にフレッシュなんだ。
フレッシュ、フレッシュ、フレッシュ、思わず「夏の扉」を口ずさみたくなるね。」
とかなんとか言っていたわけだ。
ちなみにナポリピザとはどういうピザかというと
その1 生地に使用する材料は小麦粉、酵母、塩、水
その2 生地は手だけを使って延ばす
その3 釜の床面にて直焼きをする
その4 釜の燃料は薪もしくは木くず
その5 仕上がりはふっくらとして「額縁」(周りの盛り上がってるところ)
その6 上にのせる材料にもこだわる
(以上、高嶋調べ)
だそうである。
「サルバトーレ」のピザも同じ味なんだが、ナポリのピッツァにはナポリならではのパンチがあるらしい。
日本だとピザ、ナポリだとピッツァ。
それが気分というモノ。
日本で気取ってピッツァなんていうとなんか背伸びしすぎのような期がして気恥ずかしいが、そんな気分的なモノなんじゃないかと思う、結局のところ。
(ナポリではごくノーマルの「ジュリアーノ」の
ピッツァだがむっちりのもちもち)
そんなわけで、氏はピッツァを食べ続けた。
ナポリ中央駅前のなんてことはないピッツェリア「ジュリアーノ」でさえ美味だった、という。
「さえないおっさんピッツァユーロが焼いてくれたんだけど、でも意外や意外、うまいんだな、これが。ナポリピッツァのレベルの高さを思い知らされたね」(発言のまま)
折しも、その日はちょうど日本サッカー界がオーストラリアサッカーのレベルの高さを思い知らされた時だという。
なんてこったい。
(「ジュリアーノ」でちょっと焼く真似をさせてもらいご満悦の氏)
そんなこんなで2週間、ひたすらピッツァを食べ続けたと言うが、でも、ナポリの最高はピッツァではなかった、らしい。
どういうことですか?
「いやね、ナポリは魚がうまいんだよ。タコ、イワシ、鮭、シメサバ…いやー、美味いね、魚フライいけるねー。だからあれが美味いんだよな…」
あれって何?
「ナポリで出会った人生最高の味はなんといってもボンゴレね。あんなに美味いボンゴレを食べたことはかってないね。特にねツイ・テレーサって店が最高ですわ、実際のところ」
(氏の人生最高のボンゴレです)
ピッッアだけではない、ナポリの真髄に触れて帰ってきたわけだから、これで心おきなく死ぬことが出来るな…と言ったところ、氏はほくそ笑みながらこういうのであった。
「今度はどこを見てから死のうか…ブエノスアイレスかロッキー山脈かルバング島か…いずれにせよ、とりあえず日本的には宮城湯入って死ね、ってことだろうね」と氏がお気に入りの銭湯でのんびりすりことを夢見て今日も酒を傾けるのであった…
●「Da Michele ダ・ミケーレ」
住所:Via Sersale 1-3-5-7
電話:081-5539204
営業時間:11:30~24:00
定休日:クリスマス、復活祭、日曜と8月の第二、三週