清水のおさむいすし横町事情 ~清水市 エスパルスドリームプラザのすし横町~
前々から訪れなければいかんと思っていた日本唯一という寿司のフードパーク、すし横町へとようやく行ってきた。
清水港の近くにあるエスパルスドリームプラザ内にあって、すしミュージアムなるものも併設されているという。
ここには他にもサッカーミュージアムとちびまる子ちゃんランドもあって、
ちょっとしたミュージアム御殿みたいになっている…
いや、なっていると思ったといったほうが良いだろう。
ホームページ を見て、ちょっと怪しいとは思ったのだが、ここまでシャビーだとは思わなかった…
ま、その話はおいておくとして、すし横町へ行く前に近くの漁港の市場へと寄った。
やはり都内のスーパーとははくりょくも値段も段違いである。
アジなんかは1匹50センチはあろうかという特大サイズ。
これで1枚150円だというからやってられない。
やはり住むなら漁港の近くだと思い知らされる。
これなら寿司も期待ができるのでは…と思うのも自然の流れというものであろう。
で、期待に胸弾ませすし横町へと出向いたわけだ。
昭和レトル風な作りの場所には10軒の寿司屋が軒を並べている。
うち2軒は回転寿司屋。
私が行った日がたまたまなのかもしれないが、日曜日の夕食時だというのにここの横町はゴーストタウンのごとく…
正確に言えば1軒を除いて、ゴーストタウンのごとし、であろうか。
とにかく、たった1軒の店に人が集中しており、他の店は閑古鳥が鳴きまくっているのである。
行列ができている店は、「回転鮨 魚がし」。
ここは静岡県を中心に手広くチェーン展開をしている人気店である。
私は端からここに来ようと思っていたから行列に並んだが、何も考えずに来た人はいったいどう思うだろうか?
確かにこの店は他店と比べれば回転寿司なだけ安いかもしれない。
ファミリー連れなどにも人気であろう。
が、これでは他店の立場があまりにもなさすぎる。
ラーメン横町なんかでも、一部の人気店に人が集中することはあるが、ここまでひどい光景を見たことがない。
他店の店員はこの状況にますますやる気がなくなっているのか、うらめしそうに回転寿司屋の行列を眺めるばかりである。
よってますます他店に人は寄りつかない。
(デカネタ、肉厚のマグロカルパッチョ)
確かに魚がしの寿司はデカネタで厚みもあり、たいへんに食べでがある。
沼津の漁港で揚がった新鮮な魚を直送するのが売りである。
これで安ければ文句ないところだが、主力の皿が300円台と高めの設定。
店内が高級志向であるとか華やかさがあるとか味+αの部分があれば良いのだが、その他特記すべき事項は特にないだけに回転寿司屋としては高評価が与えられない。
(ちなみにここのチェーンは流れ鮨を売りにしている店舗がある。流れ鮨とはタッチパネルで注文したものが、握りたての状態で目の前に流れてくる、というものだ。そういうエンタな部分があれば評価するのであるが)
というわけで、すし横町最大の人気店がもうひとつパンチが欠けるだけに他の店はもっといただけないのかと思ってしまう。
他にも世界中のマグロが味わえる「The まぐろや」や洋風創作寿司の回転寿司屋なんかもある。
寿司屋の場合、どうしてもネタの仕入れの関係があるから、小樽や気仙沼など地方の有名店をこういうフードパークに招致するのは難しいのであろう。
そのせいで、どの店も同じに見えてしまうというか、ラーメンやカレーなどのフードパークと比べて、バラエティ感がないのが辛い。
気を取り直して、すしミュージアムを見学することにした。
入場料を300円も取るわけだから(すし横町で食事をした人は半額)、それなりに立派なものを期待してもバチは当たるまい。
すしの歴史やら全国の寿司について勉強でもしてやろうという魂胆である。
それくらいはあるだろうとは思っていたが…
入ってみると中は江戸の町並みが再現されている。
確かににぎり寿司は江戸時代に誕生したものであるから、江戸の文化を学ぶのはよい。
が、それだけなんである。
(仕方がないので、こんなところで写真を撮ってみるの図)
順路にあるのは江戸の風景ばかり。寿司についてのウンチクが書かれたチラシが数枚置いてあるくらいで、寿司ミュージアムの片鱗すらみえない。
「こ、これはいったいどういうことだ…」
と唖然としていたら、最後に寿司の歴史やら全国の寿司について書かれた展示場があった。
ご丁寧に室町時代くらいからの寿司の歴史について書かれてある。
全国の寿司についても写真が展示されている。
が、それは学園祭ですし研究会が発表するようなレベルなんである。
あっと驚く仕掛けとは言わないが、学園祭レベルはやめて欲しい。
がっくし
(学園祭レベルの展示場であった…)
で、ちょっと考えてみたのだが、そもそも清水と寿司のつながりって何よ?
お隣の沼津港は確かに漁獲量も高く、美味な寿司屋も多い場所だ。
回転寿司業界でも「沼津」は一種のブランドである。
清水ですしといって思い浮かぶのは清水の次郎長一家の森の石松くらいか…
「食いねぇ、食いねぇ、寿司食いねぇ」の石松様の言動はあったにせよ、清水港の名物はお茶の香りと男だて、と決まっている。
もしや、石松のネタだけで強引にすしミュージアムを作っちまったんだろうか…
清水ならありうるな…
せめて清水と寿司の関連性がもっとしっかりしていれば、こんなチープなミュージアムやシャビーなすし横町にならんですんだだろうに…。
やはり清水はエスパルスの応援とお茶で頑張って欲しい、と思った次第です、ハイ。
●清水すし横町
静岡県静岡市清水区入船町13-15 エスパルスドリームプラザ1階
営業時間:11:00~22:00
定休日:無休