藤巻将一のあくなき野望編 1万円のラーメンとは? ~池尻「藤巻激場」の料理人魂~ | B級グルメを愛してる!

藤巻将一のあくなき野望編 1万円のラーメンとは? ~池尻「藤巻激場」の料理人魂~

はたして藤巻将一はさらにとんでもないことを考えている男であった。

なんと一杯1万円のラーメンのみを出す店を考えているというのだ。

伊勢エビなんかが入ったラーメンで一杯1万円、というのはある。

だがあれはラーメンではなく伊勢エビを食べているにすぎない。

が、藤巻の作る1万円ラーメンは、スープと麺だけで具はないという。

大丈夫か、藤巻!

が、藤巻はこともなさげにこう言った。

板場は料理人にとっての戦場。ラーメンは戦場で戦う上での武器。この店では私を売っている」と。



fujimaki

(料理に精を出す、藤巻氏の図)


そもそも藤巻氏はタイのオリエンタルホテルで修行をし、

氏曰く「日本でタイの宮廷料理を作れるただ一人の日本人」であるそうだ。

その修行を支えてくれた先輩料理人に対する感謝の気持ちとタイ料理への恩返しのために

世界一のスープ・トムヤムクンを広めたいとの思いからラーメン屋を始めるに至ったという。

ラーメン業界に対してね、こう言ってやりたい。『プロの料理人が作るとラーメンはこうなるってね

確かにトムヤム激場麺はなんともいえぬ味わいである。

ある意味、唯一無二の料理といっても差し支えないだろう。

オリジナル・トムヤムペーストに鶏油からとったネギ油、香草等を混ぜたスープは、

トムヤムクンを越えている、という気にさせられる。

1万円のラーメンのスープはさらなる極上テイストなのだろう。

美食家ならば喜んでお金を出すかもしれない。



fujimaki
(最後の〆は茶漬けご飯なり)


なぜ1万円のラーメンなるものを作り出そうと考えたのかというと

カッコ良さを目指していくからであるという。

チョイ悪どころじゃなくて、本当の不良オヤジになってもらいたいってこと。

女連れてきて、パッと食べて、じゃ2万円、って金置いてパッと帰ってくわけ。

そういうカッコ良さを目指すなら、ここに来ればいいってこと

だそうだ。


「1万円のラーメンが完成したら、店の名前は激場じゃなくて激城にしようと思ってんの。

その時にようやく一国一城の主になれるって思うわけ。

とにかく一番じゃないと気が済まないんだよね」

そうなんである。

藤巻氏はとにかく一番じゃないと気が済まない方なのだ。

かつてこの地には「アジアンボール将」というアジアンヌードルと丼を出す店があった。

その店はなかなか繁盛していたらしい。

弟子が三軒茶屋に支店を出すのを気に前々からやってみたいと思っていたラーメン屋を始めることにした。

値段は1杯800円。

アジアンボール時代の客はまったく寄りつかなくなり、300万あった売り上げも1/10以下になってしまったという。

普通ならばラーメンの値段を下げるところだが、藤巻氏はさらなる改良を重ね、1杯1000円のラーメンを生み出したという。

で、ますます人は来ない。

経営の危惧にも貧したが、それでも信念は曲げなかったという。

武士道なんですよ。武士道で一番大事なのはやせがまん。

約8ヶ月やせがまんを貫いて、ようやく客が来だした。

で、行列が出来るようになって1000円のラーメンは勝ったなと。

もう一回、挑戦しようという気持ちの表れが1500円のラーメンなんです

とのことだ。

やせがまんも一番でなけりゃ気が済まないというのだから筋金入りだ。


で、ついに1万円のラーメンが完成したらしい。


fujimaki

(1杯1万円の文字が光る)


これを食うには10回以上、店に通うことが必須条件らしい。

オヤジと料理に興味のある方は、訪れてみてはいかがか?



営業時間は戦いなので「開戦時間」。

 戦場にて「今日は休みます」なんてことはないので、不定休となっている


●「藤巻激場」

世田谷区池尻3-19-5

電話:03-5481-5838

開戦時間:12:00~14:00 18:00~22:00(平日)

       12:00~15:00 18:00~22:00(土・日・祝)

休戦日:不定休