大井町沿線を巡る極上酒場の旅 その② ~大井町「大山酒場」の割烹着軍団~
大井町に着いた我々は、駅すぐ横の「東小路」へと突入した。
ここの横町は昭和24年頃からあるという、なかなかの老舗横町で、
マニアにはたまらん感じのオーラが出まくっている。
しかもこれがまたいい飲み屋が並んでいるというのだから、
片っ端から攻めたくなってくる。
というわけで、まずは界隈でも大箱といえる「大山酒場」へと向かった。
ここは昭和27年オープンと老舗の風格は十分で、
檜の一枚板のカウンターや作りつけのいすがなんともいいムードを醸し出している。
で、ホールスタッフは女性(おばさま)ばかり。
なんともいえぬ温もりが店内に包まれている。
なにを飲もうかと思案していると
「ここに来たら、これしかないでしょう」と音楽界一の居酒屋通K氏がこう言った。
「ここは6合5勺の特性徳利で飲む熱燗を味あわないと」
熱燗を注文すると噂の特大徳利を持っておかあさんがやってきた。
おぉ、なるほどデカイ徳利だ。
なみなみと酒が入っていたら、とてもじゃないけど注げやしない。
牛乳瓶底の眼鏡のような厚手のグラスに注がれた酒をきゅっと一杯。
うむ、大衆酒場の味がする。
なんだかいろいろと混ざったような複雑な味、とでもいうのだろうか。
酒に年期が染みついている、といった感じの味だ。
メニューを見るとハムエッグス、というのが目に入った。
エッグス、というのだからきっと目玉焼きが二つあるのだろう。
燗酒にハムエッグの取り合わせも意外といけそうだ。
他にも定番の煮込みにぬたをオーダー。
ザ・煮込み、といった感じの醤油味だ。
ふとみると気になるメニューがいくつかある。
なんだかしらないがオムレツの種類が多いのである。
プレーンからチーズ、納豆、とろろオムレツなんてのもある。
この手の店でこういった洋風なものはハズレが多いのだが、
見た目も味もなかなかのものだった。
シブイ居酒屋というと酒の肴は和物に限る、とは思うが、
ハムエッグスにオムレツなんてのも楽しいモンだ。
割烹着姿のおばさまたちがせわしく働く、大山酒場を後に
次はどこに行こうか…
●大山酒場
東京都品川区東大井5-2-13
電話:03-3474-4749
営業時間:17:00~22:30
定休日:土日祝