もつ焼き屋でラーメンを食らうという幸せ ~町屋「小林」の煮込みスープ | B級グルメを愛してる!

もつ焼き屋でラーメンを食らうという幸せ ~町屋「小林」の煮込みスープ

人間、長く生きていると誰しも飲んだ帰りの〆にラーメンを食べたいと思ったことの一回や二回はあることと思う。

若い頃はいい。

いくら飲み食べいた後でもラーメン屋に行くことができた。

自慢じゃないが、さんざん飲み食いした後、「おう二郎」(1かつて王子にあった「ラーメン二郎」)の大ダブルもいけたくらいだ。

だが、B級酒屋道を歩き出してからいうもの、〆にラーメン屋、というのがどうにも考えられなくなってくる。

そもそも食べられない、いやそれほど食べたくないというのもあるが、

〆はやっぱり酒で決まり!といった感じになるからだ。

そんな私にメジャースカバンドのベーシストKが「町屋にもつラーメンが食べられる店がありまっせ、ダンナ」と声をかけてきた。

声をかけられたら行くしかない。

いや、行かねばならぬ、行かねばならぬの心境だ。

というわけで、御徒町で一杯ひっかけてから町屋へと向かった。

町屋の酒場街は昔ながらの面影が残るいい感じの町だが、町的にはいまひとつ地味な印象がぬぐえない。

時刻は6時を廻った頃、人気の酒場は最も混雑している頃だろう。

で、案の定、我々が目指した「小林」も満席であった。

そこで、町屋の代名詞とも言われる酒屋を目指す。

もつ焼き 亀田」。

残念ながら店は改装してしまったようで、渋い雰囲気とはかけ離れた現代的な世界だったが、

黄金色の酎ハイともつの取り合わせはなかなかである。

メニューには「酎ハイ(黄色) 下町ハイボール」と書いてあるのがなんとも味があってよい。

他に白ハイもあって、こちらは「無色炭酸割」と書いてある。



亀田



モツ焼きは塩味テイストのさっぱり味。

モツはいきがいいというか、プルンとはじけている。

旗の台の「忠也」を彷彿させるが、個人的には「忠也」の方が旨みを感じる。


亀田

拳闘の亀田兄弟はしょっぱい試合をしていたが、町屋の亀田は創業50年の実力が存分に発揮されている。

亀田

でもって、80円前後の串をいろいろといただいた。

やっぱ、安いでんな。

軽く一杯のつまりが結構、長居をしちまって「小林」を訪れたのはいい時間になっていた。

で、気分的には速攻、〆のラーメン気分だったが、ここはグッとこらえて

まずはモツをいただく。

ここのモツは串に刺さっている珍しいタイプだ。


小林


ふむふむ、モツにかぶりつくってのも悪くない。

ビールで軽く一杯やった後にいよいよラーメン様の登場だ

モツ食って酒飲んで、そのまま〆のラーメンが食えるなんてこんな幸せなことはない。


で、出てきたのがこちらのラーメン。


小林

モツ焼き屋だけのモツのスープが使われているのか、と思ったが、

いたって普通のラーメンであった。

ふーむ、しかし、飲んだ後にはこんなあっさりしたラーメンの方がしっくりくる。

特にモツに下町ハイボールの取り合わせの後はこのくらいさくっとしたラーメンがいい。

この年になって、飲んだ後の〆のラーメンが満喫できただけで幸せってものである。


ベーシストKが頼んだのはつけめんで、こちらは見た目通りのインパクトがあった。

水の中に浸かったままの麺をモツ煮の付け汁で食べるのである。

これこそが、ザ・モツ煮つけめん


小林

モツの旨みがラーメンに絡まってこれこそがモツの〆に食うべきラーメンかもしれない。

いやー、これなら満腹でもいけちゃいますよ、ダンナ。


だが、一つだけ大きな問題があった。

モツつけそばを食べた後になんだかまた酒を飲みたくなってしまったのだ。

これでは〆のラーメンにならないではないか……


もちうろん、その後我々がもう一軒行ったのはいうまでもない。


●「亀田」

住所:東京都荒川区2-15-19

電話:03-3892-0383

営業時間:17:00~23:00

定休日:日曜


●「小林」

住所 :東京都荒川区町屋2-8-16
電話 :03-3892-5447
営業時間 :17:00~24:00
定休日 :日曜、祝日、第1・3土曜